訪露 その3
訪ロ6日目の今日は博物館巡りの日でした。日本人は皆ロシアの歴史に前のめりで、昼に集合したときから本日のプログラムに息巻いている様子。早る気持ちを押さえつつノヴォシビルスクの街並みを歩く。
ミリタリー博物館
最初に訪れたのはロシアの軍事に関する博物館で、解説も展示も充実しているというレベルの高い陣容。
せっかくの展示に気が早まる日露メンバーを半ば無理やりまとめ上げ、あくまでおじさんともおじいさんともつかない館長の解説(ロシア語)を中心に見学を展開していくのはソ連時代から続くインツーリスト型観光ということか? 細かなところにもロシア=ソビエトの伝統を垣間見ることができるのもgood。
開始後まもなく一般人観光客と見られる家族が見学に加わり、解説のロシア語を次々と英語に翻訳していく。お父さんから女の子まで流暢な英語を延々話し続ける様に日本人学生はたじたじ。日本の学生はこのレヴェルに対抗できるのかな?
間断なく流れてくる外国語の解説に流石の日露メンバーも疲労の色を隠せず一人一人と元軍人館長の戦列から離脱してゆくと、ここで唐突にサプライズが起こる。見学者の表情を察した館長から、実際に兵器に触って写真撮影との提案が。これはすごい。鉄兜を被り、対戦車ライフルを抱えて記念撮影。これには日露メンバーも思わず笑みがこぼれる。外国の博物館はこういうことがあり得るから侮れないんだなぁ。
個人的なハイライトは、ナチスドイツからの戦利品の中に1945年のソ連の対独戦勝パレードで実際に使われた物を発見できたことでした。思わず興奮してしまいましたが、これも博物館巡りの醍醐味。
蝋人形博物館
昼食の休憩も入れず次に訪れたのは蝋人形の博物館。マルクス、レーニン、スターリン、プーチンなど著名な政治家の人形だけでなく、蝋人形の制作過程の展示や、人形とは全然関係ないツァーリ秘蔵の古い奇形児のホルマリン漬けコレクションなど「政治だけではちょっと…」という理系諸君の要望にも合わせた、幅広い層に楽しめる隠れた観光スポットでした。ノヴォシビルスクを訪れる際には一見の価値あり。それにしても現職の政治家すら博物館の展示に入れてしまうというこのロシアの個人崇拝文化は、日本人にとっては何とも奇妙なものですね。
最後に
訪露6日目は、こんな感じでロシアの文化に触れた一日でした。
あと、ついでですがこの日は白樺細工の伝統工芸品の博物館も見学しました。