食べられるならどっち?

企画幹事 遠入身延

新型コロナウイルスの感染拡大で連日暗いニュースばかり流れてくるが、一か月ほど前に興味深い記事を読んだ。ロシアでは感染拡大を防ぐために3月28日から食料品店や薬局などの一部店舗を除いて休業し、強力な外出制限が実施されている。

そんな中、ロシア大統領が外出自粛を促すために街にトラを放ったという噂がインターネット上で急速に広まった。さすが恐ロシア!なんて強権的いや物理的!と言いたいところだがこれは完全なデマである。しかし、あまりに広まってしまったが為に外務省の報道官が火消しに追われる事態にまで発展した。

仮に日本なら「インターネット上で事実無根のデマが広がっているのは大変遺憾である」とでも言うのだろうがロシアは違う。ザハロワ報道官は「大統領が街にライオンとトラを放つというのは面白い。だが、伝統と効率を考えて実はクマを放っているのだ」と冗談交じりに否定した。

この辛い現実も笑い飛ばして乗り越えていこうという姿勢には感服する。

たしかにロシアには多くの熊が生息しており、数多くの民話、ことわざやユーモアにも熊は頻繁に登場する。

日本の「捕らぬ狸の皮算用」に相当するロシアのことわざは「熊をしとめる前にその皮の使い道を考える」で「悪女の情け」は「熊の親切」である。現実的にもロシアの人々が熊に遭遇する頻度は高く、こうした伝承が途切れることなく今も残っているのだろう。

最後に熊にまつわるロシアで非常に有名なジョークを残して筆をおこうと思う。

ある男が森の中で熊に出くわした。熊はさっそく男に質問する。

「お前さん、何者だい?」

「わたしは旅行者ですが」

「いや、旅行者はこのオレさまだ、お前さんは旅行者の朝食だよ」

(米原万里著『旅行者の朝食』より)

このジョークについて知りたいという方(あるいはもっと面白い話が聞きたい方)はぜひ日本ロシア学生交流会に入会してユーモアあふれるロシア人に直接尋ねてみてください。きっと喜んで、あるいは笑いながら答えてくれると思います。

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食べられるならどっち?” に対して 2 件のコメントがあります

  1. あきの より:

    文章が知的で分かりやすいし構造も簡潔で、内容もとても面白かった!!
    これからも頑張ってね!

    1. 広報部 より:

      コメントありがとうございます!!本人にも伝えておきました!

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